身体に障害を持った人でも、身体に障害がない人でも、自己”私らしさ”を見失っている人は、リハビリが必要です😮
ブレーキとアクセルの踏み間違いを認めない老人など、脳イメージが自由の利かない身体とのギャップによりエラーとなって表在化した結果と思われます。
自己を取り戻すためには、私という意識(自己意識の復権)と自由意志を持った身体の復権が必要になります。
リハビリとは、自己意識を取り戻すための手段ではないかと考えます。
オリバー・サックス(レナードの朝の作者)というアメリカの神経科医のお話。
ノルウェイの山中で転落事故にあい大ケガを負ったオリバーさん。手術により傷は癒えたが、なぜか左足が自分のものであるとは感じられない。神経の障害のため、脳のなかの左足のイメージが失われてしまった😱
この時オリバーさんは、患者は身体意識という現象の中に生きていると気づきます。
「私は左足を無くしたらしい。そんな馬鹿な。足はそこにあるではないか。ギブスに保護されて、ちゃんと存在している。いや、そうとばかりは言えまい。足を所有するという問題に関しては、どうにも不安で確信を持つことが出来なかった。」
「現実の足は、自分に関わりのある、いとおしいものでなくなり、生命のない、無機質の、異質なものになり果ててしまったのである。」
「私は足についての内なるイメージが破壊されたのである。神経学の言葉で言えば、足についてのボディー・イメージに障害が起きたのだ。」
「このような経験はありふれたものかもしれないが、医学文献には全く記載がないと気づいたのだ。患者たちにとって、このことはいかに不安と恐怖を伴うことかを、医者は知らない!」
「外科医は切れた筋をつなげたり、折れた骨を元通りにする。しかし、修復された足を自分の足だと認識することなしには、足はまったく働かないのだと知ってびっくりした。」
サックスさんが患者になって、動かない左足により自由意志を持った身体でなくなった時、意識の中に自分らしさを失ってしまうことに気付いたわけです。
前回話をしました、ヘルドに実験と今回のオリバーさんの患者体験をつないで、ニューロリハビリテーションの考え方はわかりやすくなると思います。
次回は、身体意識とリハビリについて述べたいと思います😄
お楽しみに!