直観には大脳基底核だけでなく、小脳の働きも考えられています。
小脳は大脳後方下部に位置し、特に運動習慣を学習する領域となります。
小脳での学習は「自然に意識しなくてもできるようになる」、「ある程度の訓練期間が必要」という点で直観と似ているとのことです。
小脳で起きる反応は意識にのぼらず、性質が直観と似ているため「小脳仮説」として考えられているようです。
さて、その「小脳仮説」とは、どのようなものなのでしょうか?🤔
前回でも述べたように、記憶は大脳皮質に保存されていますが、前頭前野(計画と推理)は大脳皮質に保存されている経験した記憶を参考に、分析や判断と言った思考を行うようです。
この思考を大脳皮質の中で繰り返し行っていると、小脳が大脳皮質の記憶を前頭前野による無意識下での判断・分析に使われるような形に変えて、小脳内に保存するようになります。
良く使われるエピソードとして、自転車に乗れない子が猛練習して、一度自転車に乗れるようになると、特に意識しなくても自然と自転車に乗れるようになります。これは、練習による繰り返し学習で小脳内に自転車の乗り方が保存されたということになります。
小脳に保存された記憶を使うと、大脳基底核を使った場合と同じように、無意識に素早い反応を起こせるので、これが直観を生むのではないかと考えられているのです。これが「小脳仮説」といわれるものです。
脳卒中等で大脳に障害が残り、手足が麻痺したピアニストが以前に弾いたことのある曲を弾くときは、発症以前と同じように指が動いたという事例があります。
不具合のある部位の回復に小脳の働きが関与しているならば、それを積極的に利用することがリハビリには必要と考えています。
それには、繰り返しの反復訓練が必須となります。モチベーションを保ちつつ、尚且つ療法士依存にならないよう運動訓練を続けるのが重要となるのです。
そこで必要になってくるのが、リハビリをする意味を本人が理解しているかどうかです。
ただ、良くなるからと運動療法を漫然と行っても、すぐにやらなくなります。
リハビリで何を成し遂げたいのかを本人が理解し納得しなければ、お金をかけるだけ無駄に終わります。
我がリハビリスペースでは、運動療法だけではなくリハビリの目的や考え方、やり方など自己管理の方法までセミナー形式で行っていきます。
すべて納得していただいての運動療法によるリハビリなので、効率よく自分の身体を自ら動かして、障害を克服することが可能となります。
それでは、次回はサヴァンの驚異的な能力についてお話しします。お楽しみに😄👍