どんどん使えない身体になる!学習性不使用😮

学習性不使用」とは、麻痺側の手足を使用しない状態が長く続くことで、麻痺側の手足を使用しないことを学んでしまい、定着してしまう現象です。

脳梗塞発症後から何年も経過している方は、脳自体の損傷によるものと、二次的に生じる学習性不使用によるものとが混在している状態である傾向があります。

脳卒中になると手足の麻痺だけでなくバランスが悪くなります。

バランスが悪くなると、立つ・座ることが不安定となるため、麻痺のない側の手や足を使ってバランスをとる(手すり、杖に頼る)ことが多いと思います。

麻痺した手・足の改善を試みる上で、麻痺のない側(非麻痺側)の手・足でバランスをとることにより、悪影響を及ぼす傾向があります。

なぜ麻痺のない側の手・足でバランスをとると麻痺した手の改善を試みる上で悪影響が生じるのでしょうか?🤔

第一に「手すり、杖に頼りすぎると麻痺側の脚の力がさらに出にくくなる。」といった研究報告があります。

脊髄には脊髄固有ニューロンとよばれる神経回路があり、対側(例えば右手と左足)の運動が関連しあっています。つまり、麻痺のない側の手で手すりや杖に頼りすぎると、麻痺した足の支えが弱くなりやすいと言えます。

第二に、「足の支えは、同側(右足なら右手)の手の機能に影響する」と言われています。

ヒトが重力に対して体を支えるためには、2つのシステムが大きく関与します。

それは体幹を中心に関与する「橋網様体脊髄システム」と、足を中心に関与する「前庭脊髄システム」です。

この2つのシステムは協調しあっていて、「前庭脊髄システム」の働きは、「橋網様体脊髄システム」の働きを上乗せして補ってくれます。つまり、麻痺した足の支えが良くなると、麻痺側の体幹の働きがより得られやすくなり、結果、麻痺した手・足が動くチャンスが増えるということです。

以上のことから、麻痺のない側の手・足を過剰にバランス保持で使用することは、麻痺した手・足の機能改善に悪影響を及ぼすと考えられます。

麻痺のない側の手・足をどのように使うのか?麻痺のない側の手・足をバランス保持で使いすぎないためには、何が必要か?という視点でリハビリをすることが、麻痺した手・足のリハビリに必要です。

これらは1900年代後半からマーゼニックら様々な研究者が明らかにしたもので、これらの研究が、「脳は使用方法により変化する可塑性に富んだ臓器である」という根拠の一つとなっています。

難しいことを言いましたが、普段の生活の中で麻痺のある上下肢を少しでも使うように意識することが大切だということを伝えたかったのです。

まずはご自身の生活を見つめ直してみましょう。麻痺側の上下肢の使用・参加状況の中で、今より少しでも活躍させることはできないでしょうか?

学習性不使用の予防対策として

  • 良い方の手で出来るけど、あえて両手で洗濯物を畳む。
  • 麻痺側の足にいつもより体重をかけて立つ。
  • 良い方の手で過剰に引っ張らないで立ち上がる。
  • テーブルの上に麻痺側の手を置いてTVを観る。
  • 普段とは反対の肘受けに寄りかかる。
  • 良い方の手で(ご家族が)麻痺側の手足を擦ってあげる。
  • たとえ動かなくても。良い方の手で麻痺側の指先から体幹まで、目で見て、良い方で触って・つねって・こすって・叩いて・・・認識を深める。 などなど

もちろん代償動作が起こらないように気を付けて麻痺側上下肢の自主トレの実施も必須です。

自分で毎日実施できそうな生活目標を立て、生活の中で麻痺側を参加させるようにしてください。

ただし、その機能レベルに合わせて、難易度を段階付けていくことが大切で、いきなり難しい課題は避けて、まずは無理なくできる範囲で続けられるものを生活に定着させていきましょう。

やってみて上手くいかない、一度専門のセラピストに相談したいという方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

さて次回は、比較照合モデル(Comparator model)によって成り立つ運動学習について😄お楽しみに

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