ぎっくり腰になったらどうしよう😔

ぎっくり腰とは?

”ぎっくり腰”は、Hexenschuss(魔女の一撃)などと呼ばれ、一般に突然の激烈な腰痛のために身動きがとれない状態を指します。

通常の腰痛と異なり、いわゆる”ぎっくり腰”は、突発的発症に続き、わずかな体動でも激烈な腰痛が
生じるため、全く身動きがとれないのが特徴です。

ですが、実際ぎっくり腰の定義は不明確です。

日本では、厚生労働省が実施した平成19年国民生活基礎調査によると402万9000人が最も気になる症状として腰痛を挙げており、有訴者数は第1位です。

腰痛を生じると日常生活、労働業務に支障をきたし、さらに完治には長期の療養期間を要するため経済的損失も大きいと言われています。

米国においては、腰痛治療に要する年間医療費が200〜500億ドル、腰痛による休業の損失が280億ドルという報告があります。

また、高齢者においては腰痛によって動作を行う意志が弱くなり、生活の質を大きく下げていると
まで言われるようになっています。

つまり、”ぎっくり腰”は身近な問題であり、予防するまたは治療ができることは、患者さんのQOLを向上する上でも大切なことです。

では、そもそもなぜ”ぎっくり腰”となるのでしょうか?

次に詳しく説明します。

ぎっくり腰の原因とは?

物を持ち上げる動作は、日常生活や労働環境で頻繁に行われる動作です。

この動作は、腰部に過剰な負荷を生じやすく、腰部障害の原因となります。

そのため、”ぎっくり腰”の原因のほとんどが物を持ち上げる動作に関与しています。

重量物の持ち上げは、全身のいたる所、とくに腰骨盤部に大きな圧迫力と張力、剪断力を生じさせます。

ある臨界レベルでは、ある部位に作用する力が局所の筋、靭帯、関節包、椎間関節や椎体連結の構造耐性許容を超えることがあります。

この許容範囲が超えた瞬間に筋、関節、椎体に一気にストレスが生じたものが”ぎっくり腰”に繋がります。

つまり、腰骨盤部に繰り返しのストレスまたは突発的なストレスが”ぎっくり腰”の原因と考えられています。

持ち上げは、米国における腰痛の危険因子でトップを占め、とくに作業中に関係すると言われています。

持ち上げ中は、体幹後面の伸筋によって生み出される力は、腰部の関節や結合組織(腱、靭帯、筋膜、椎間板)に間接的・直接的いずれにせよ深く関わります。

重量物を持ち上げる際の対策として取り入れられているのはヴァルサルヴァ法(Valsalva-Maneuver)です。

ヴァルサルヴァ法は、閉じた声門に向けて腹筋を強力に収縮させ、腹腔内圧を随意的に増加させる活動です。

横隔膜を上方へ、深部腹筋(腹横筋と内腹斜筋)を前方へ、腰椎を後方へ、骨盤底筋を下方へ押し、腹部に硬い柱と高圧状態を作り出します。

”腹腔内風船”を膨らますようなこの柱作用により、腰椎の伸展トルクを生み出し、それによって腰部伸筋への負担を部分的に減らし、最終的に腰椎への筋による圧迫力をより少なくすると考えられています。

持ち上げ中に機能する腹横筋は、腰椎骨盤部を安定化する効果が期待できコルセット効果があります。

腹横筋は、横断方向に主に作用することにより、同時に屈曲トルクを生じさせず、また腰椎への垂直方向の圧迫力を増すことなく腹腔内圧を上昇させることが期待できます。

では、”ぎっくり腰”はどのような治療法がされているのでしょうか?

病院に行っても治らない

ほとんどの方は、「病院に行ったらなんでも治療できる」と思われています。

残念ながら、そういうわけにはいきません。

特に、”ぎっくり腰”のようなレントゲンで確認しても分からない病態ほど治療の施しようがないと言われています。

そのため、医師からは
「腹部周りの筋力訓練をしましょう」
「湿布を貼って経過を見ます」
「痛み止めを出しておきますね」

と対応をされるだけなのが現実です。

そのため、すぐに”ぎっくり腰”が再発したり、慢性腰痛へ繋がるリスクもあります。

では、私たちセラピストにできることはあるのでしょうか?

私たちの強みは、やはり徒手的な治療ができるということです。

特に”ぎっくり腰”のような症状の方であると適切な治療を行えば私たちが先陣を切って治療に貢献することができます。

ですが、ここで注意して欲しいのは、全ての”ぎっくり腰”を徒手的な治療で治すことはできないことです。

例えば、”ぎっくり腰”でも明らかなレントゲンの異常であれば手術などを検討し、医療処置になります。

正しい評価や治療を選択しないと返って症状が悪化します。

では、どういう方に対して私たちセラピストが活躍できるのか?

症例を踏まえ詳しくお伝えします。

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48歳女性。

運搬作業中に”ぐぎっ”と嫌な音がし突発的に思いました。

「しまった…ぎっくり腰だ」と。

今までにない痛みが続き、しばらく安静にしていましたが、耐えきれず病院へ行きました。

医師には、レントゲン上問題ないと言われ急性腰痛と診断を受けました。

医師からは、休養と痛み止め、湿布薬をもらいその日は自宅へ帰りました。

安静にすれば疼痛は治まりましたが、寝返りや起き上がる時に痛みが強く、とても仕事ができる状況ではありませんでした。

我慢しきれず、腰痛専門の治療院へ行くことにしました。

すると、たった1回の治療であれほど痛かったのが動けるまで回復しました。

先生からは、「椎間板に異常がなければ基本的には改善する」と言われました。

また、言われた通りの自主訓練や物を持ち上げる際の注意点など分かるまで指導して下さり痛みが落ち着いても気をつける必要があること知りました。

今では、痛みもなく会社へ復帰することができています。

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”大腰筋の収縮”により腰痛は増大することをご存知ですか?

”ぎっくり腰”の患者は車に乗り込んだり出たりする時にかなりの腰痛を訴えます。

特に、疼痛を有する側の下肢を持ち上げようとした時や、運転中にアクセルやブレーキの操作で手足を前後に動かす時に疼痛が生じることが多いです。

この際には、股関節屈曲の自動運動と大腰筋の収縮が必要です。

大腰筋の収縮は、腰椎への圧縮応力を加え椎間円板を引き出すため、疼痛を増強させる可能性があります。

自動的な股関節屈曲を避けることが腰痛の急性期では疼痛の軽減につながると考えます。

つまり、”ぎっくり腰”は普段の生活で痛みを増悪していることがよくあります。

そのため、治療の考え方としては突発的な痛み(炎症)に対して治療をするのではなく痛みが生じにくい身体へ調整することが”ぎっくり腰”に対して最大の治療と考えています。

実際の患者さんに対しては、評価→影響している筋・筋膜を緩める→適切な姿勢で筋収縮を発揮させる
→予防・自主訓練の指導

という治療の流れになります。

まとめ

今回の記事のまとめです。

ぎっくり腰とは?
わずかな体動でも激烈な腰痛です。

”ぎっくり腰”の原因のほとんどが物を持ち上げる動作に関与。

だから、物を持ち上げる際は細心の注意が必要です。

ぎっくり腰は徒手治療で改善する場合もあるので、身体評価を確実に行う必要があります。

的確な評価と治療技術があれば多くの方が救えると思います。
ぜひ、ご利用して下さい。

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